迷いに迷ったアップ・ダウン




突然ですが、納車時にカスタムパーツのプレ装着をお願いしておくのは考えものかもしれません。少なくとも私の場合は逆効果でした。といいますのも、、、、
歳も歳だし、あまりにアグレッシブなマフラーは音のみならず、見た目的にも避けた方がご近所の目には宜しかろう。などと良き大人を自覚させる意味でも、、、とは言え少しはいじりたいな、あとから買うとなれば心穏やか奥さんも顔をしかめるかも知れないしな。と言う事で、見た目はほぼノーマルな武川のノーマルルック・スポーツマフラーを装着してもらっていました。(こちらのページも見てね)
しかし、素の状態を知らないため「ノーマルと比べ、何がどう変わったのかな?」と言う事がわかりません。最もリーズナブルな部類とは言え、きちんと名の通ったメーカーのマフラーですから、名前の通りスポーツに振られては居るのでしょう。でも、元を知らない私には皆が口を揃えて言う「ノーマル仕様の低速、低回転時のトルクが太い」の恩恵を受けることはなく(それさえ推測に過ぎませんが・・・)、さりとて中高速が伸びやかになったのかも判りません。こうなると不満は募るばかり。ノーマルのマフラーに戻すのも何か癪ですし、これはもう行けません。
気がつけば、候補となるマフラーが次々と浮かんでは打ち消して行く日々を数えていました。紛らわそうと、ミラーを変えたり、ブレーキレバーやクラッチレバーで少しイメチェンしてみましたが、自分の無い物ねだりの悪癖のタフさは、自分が一番よく知っています。よくこれまで禁治産宣告もされずこられたのが自分でも不思議なくらい、右から左を慎ましい時にも、バブルで少し夢見させてもらった時にも繰り返してきたのです。判るという事は適切な対処が出来るという事。この場合は、それ以上数を数えても無意味と言う事を意味しました(なんか変な表現だな。)
モンキーをモンキーたらしめているのは、全体的なフォルム。そのためにわざわざ一人乗りにもして着るくらいです。そんな仕打ちさえ、美点と認める私です。むしろ、ノーマルルック・スポーツマフラーから何か別の、自分が納得出来るマフラーに交換しよう!と決断した時間より、では何に交換するべきか?を決断するまでの、苦行のような
時間の方が長かったのは事実です。
そして、迎えたのがオーバーレーシングプロジェクト製のTTフォーミュラ フルチタンアップマフラー。決め手はアップスタイル。好みは人それぞれだと思いますが、私の場合、アップスタイルこそ、子供の頃憧れていたモンキーの愛らしい姿を彷彿させる重要な要素の一つと直感していたからです。太さや色合い、フォルムと不調和なほど無骨で質実剛健な各部。でもしっかり主張するパイプ径、チタンナラではの焼け色、そしてドドドドド・・と低く響くサウンド。低速低回転時の力も僅かですが向上した気がします。きっと気のせいだと思いますが、カスタムの醍醐味の一つはそう感じられることにもあると、私はそう思っています。だから、特に走る・曲がる・止まるに直結するカスタムは、一通りノーマルを堪能した後に装着する方が良いなと思うのです。
実はそうは言っていても、モンキーにはきっと色々と物足りなさを覚えて、何のかんのと理由が浮かんできて、大きなバイクに乗り換えるのだろうなと思っていました。でもただ今納車から丁度2年、全くその徴候はありません。